「かわいいは無敵!」
〜私が大切にしている療育観〜
療育って、何をするところだと思いますか?
「困った行動をなくすところ」
「できないことを、できるようにするところ」
そう感じている方は、少なくないと思います。
でも私は、それは療育の“本質”ではないと考えています。
たとえば、衝動的に友だちを叩いてしまう子がいるとします。
「叩かない」を目標にして、叩くたびに止める。叱る。繰り返し伝える。
そうすれば、たしかに叩く回数は減るかもしれません。
でも、その子の中にあった
「伝えたい」「わかってほしい」という気持ちは、どこへ行くのでしょうか。
行動だけを抑えてしまうと、
その子は“伝える手段”を持てないままになってしまいます。
私がSTとして大切にしているのは、
「その子のままで、受けとめてもらいやすくなること」
困った行動をなくすことではなく、
その行動の裏にある気持ちや意図が、周囲に伝わる形に整っていくこと。
「どうしたのかな?」
「この子、何を伝えたいんだろう?」
そう思ってもらえる関係をつくっていくことこそが、療育だと思っています。
発信のタイミング。相手への向き方。気持ちの落ち着け方。
そういったことを少しずつ積み重ねることで、
「なんだかこの子のこと、もっと知りたいな」と思ってもらえるようになる。
私は、そのプロセスを支えるのがSTの役割だと考えています。
そして、私の療育の裏テーマが
「かわいいは無敵!」
これは、愛嬌を身につけましょう、という意味ではありません。
無理に“いい子”になることでも、
周りに合わせて自分を消すことでもない。
うまくできなくてもいい。
完璧じゃなくていい。
それでも、
「この子、なんかいいな」
「もう一度関わりたいな」
と思ってもらえる存在でいられること。
人は、他者との関わりの中で生きていきます。
だからこそ、
「何ができるか」だけではなく、
「どう受けとめてもらえるか」は、とても大切な力です。
その子が、その子のままで、
周りとつながっていけること。
それが、私の療育観の根っこにあるものです。


コメント